昔見たヨーロッパのどこかの国の古い映画のあるシーン。
テーブルの上にゴロっと無造作に置かれたパンをそれぞれが手に取り、ナイフで切りながら食べていました。
お店でスライスしてもらったパンをトースターでこんがり焼いて食べていた私の日常と随分違って、それはそれは大きなショックを受けました。
このことがパンに興味を持った最初の出来事だったと思います。
それからしばらくして出会った埼玉の天然酵母パン屋“ノヴァ”のフランス伝統パンづくり。
そしてとどめはテレビで偶然目にしたオーストリア、東チロルのマリア・ルカウ村での昔ながらのパンづくり。
もうすっかりヨーロッパの伝統パンに魂を抜かれてしまいました。
ほとんど強引に受け入れてもらったノヴァで9年間、試行錯誤しながらパン修行。
フランス、ドイツ、オーストリア、スイスへパンを巡る旅に出かけ、夢にまで見た伝統パンづくりを体験することもできました。
2001年に宮崎県都城市で自家製酵母のパン屋“アヴェロン”を開き、オリジナルな伝統パンづくりを模索し続けること10年余り。
ようやく自分のつくるパンの輪郭が見えてきました。
これからもパンを楽しみながら、伝統パンづくりの道は続きます。
もちろん、ネットを通じてたくさんの方々に食べていただきたいですね。
詳細は、ブログに掲載しております。ぜひご覧下さい。
アヴェロンのパンづくりは、酵母を育てることから始まります。
レーズンから種起こししたレーズン・サワー種は、菓子パンなど軽めのパンに使います。 酸味が少なく誰にでも馴染みやすい味に仕上がります。
じゃがいもから種起こししたじゃがいも・サワー種はペイザンやコンプレなどのどっしり重たいパンに使います。 天然酵母特有の酸味や深みのある味わいを楽しめます。
ライ麦粉から種起こししたライ・サワー種は、ドイツの伝統的なライ麦パンづくりには欠かせない種です。 酸味がかなり強く、個性的な味ですよ。
これら3種類の自家製酵母と小麦、塩、水などの、ごくごくシンプルな素材を混ぜ合わせ、丁寧に捏ね上げます。
そうして捏ね上がった生地をゆっくり、ゆっくり熟成させ、しっかり、じっくり焼き上げます。
アヴェロンのパンには、ヨーロッパの伝統パンづくりのエッセンスがたくさんつまっていますよ。

パンの香りを嗅いでみてください。
どことなく鄙びた良い香りがしますよ。
すぐに食べるなら、直前にスライスするといいですね。
すぐに食べない場合には、一度に食べる分ずつに分けて冷凍保存し、オーブンなどで温めて食べてください。
おすすめの食べ方やスライスの厚さは、パンの紹介ページに書いてありますよ。
そのまま食べたり、トーストしたり、いろいろサンドしたり・・・
さあ、パンを思いっきり楽しみましょう!!!
